【人生100年時代の人生設計で知っておきたいこと②~公的年金編~】

みなさん、こんにちは。

人生予報FPの前田です。

 

今回は、シリーズでお伝えしている『人生100年時代』に知っておきたい、公的年金の超基本をお伝えします。

 (最近のニュースでこの社会保障費の2019年度予算案が過去最高の34兆円を超えたと出ていましたね。)

 

公的年金の超基本

「みなさんは現在①『自営業』②『公務員・会社員』③『専業主婦(夫)』のどれに所属されていますか?」

セミナーで年金の内容に入る前に、こんな質問を投げかけます。

何故ならば、これが『将来の年金の受取見込み』を知る為に必要な基本情報だからです。

 

老後が心配、年金はもらえるか不安だ・・・

でも、自分の加入内容をきちんと把握されている方は、10人中1人くらい。

ほとんどの方がなんとなく分かっているような、分かっていないような、そんな反応が返ってきます。

給与天引きで厚生年金保険料を払っている方は、まず自分が毎月いくら払っているかを給与明細見て確認することをオススメします。

実は、毎月同額の年金保険料をお勤め先が負担してくれています。

そして、もちろんそれは将来の年金受取額に反映されます。

このことをお伝えすると、給料はなかなか上がらないけど、ちょっと嬉しい!と感想頂くことが多いです。

 

日本の年金制度は1942年の『労働者年金法』に始まり、それ以降何度か改正や統合されており、

制度を細かく理解しようとするととても難しいです。

色々言われていますが、実は『最強の社会保障』とも言われています。

そこで、今回はいったい自分は年金いくらもらえそうか?を知る為の、超基本として抑えておくべきポイントを3つご紹介します。

 

 

年金の払い方は3種類

現在自分の年金保険料の払い方で3種類に分けられます。

それが、セミナーで質問する①『自営業』②『公務員・会社員』③『専業主婦(夫)』なのです。

    は、保険料は収入に関わらず一定で、口座引き落とし等自分で払います。

    は、給与が多いほど保険料が増えますが、お勤め先と折半で給与天引きで払います。

    は、配偶者が②に属していれば、保険料の負担はありません。

また、年金制度は家に例えると2階建て構造と言われていますが、1階部分にあたる国民年金(基礎年金)部分は①②③全ての方が持っていますですが、2階部分にあたる厚生年金は②の方のみが持っているということになります。

このように自分の年金保険料の払い方が分かると、次のもらい方が分かってきます。

 

 

年金のもらい方(給付)も3種類

セミナーへ参加される方に聞いてみると、年金は『老後の年金』だけと考えている方が少なくありません。

実は、この『老後の暮らしをささえるお金』を合わせて3種類の給付があります。

    老齢年金―65歳以降の暮らしを支える年金

    遺族年金―残されたご家族の暮らしを支える年金

    障害年金―障害を持っている暮らしを支える年金

です。

①の積立をしながら②③の保険に加入しているイメージですね。

これが最強の社会保障と言われ、国の生命保険と呼ばれる所以です。

 

まず①ですが、基本は65から給付されますが、国民年金保険から給付される『老齢基礎年金』と厚生年金保険から給付される『老齢厚生年金』があります。

老齢基礎年金は、20歳から60歳までの間に支払った期間に応じて受け取れます。40年間全く未納期間がなければ満額受け取れ、短くなればその分少なくなります。

一方、老齢厚生年金は、厚生年金の加入期間にいくら年金保険料を払ったかに応じて受け取れます。報酬(給与)によって払う金額が変わるので、加入期間が同じであれば、収入が高い方の金額が高くなります。加入期間については1か月から基礎年金の上乗せ対象となります。

 

次に②ですが、病気やケガによって働けなくなった場合に受け取れる年金です。これは65歳以下でも給付されます。

障害〇級と聞いたことがある方もいるかと思いますが、一定の障害があり、この認定を受けたら給付の対象になります。

こちらも国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建てとなります。

障害の原因となった初診日にどの年金種類に加入していたかで、どちらの給付になるかが決まります。

近年増加しているうつ病などの精神疾患も受給対象となります。

 

最後に③ですが、年金の加入者が亡くなった場合、ご遺族へ給付されます。

この条件は少しややこしくて、亡くなった方の年金の納付状況・ご遺族の年齢・子供の人数等が設けられています。

例えば、30歳未満の子のない妻は、5年間の限定給付となります。

 

 

ねんきんネットの活用

そんな年金の加入状況や将来の受取見込み額をご自身で確認する方法があります。

それが、日本年金機構が出している『ねんきんネット』です。

https://www.nenkin.go.jp/n_net/

これを使うと①年金記録の確認②将来の年金見込額のシミュレーション③電子版「ねんきん定期便」閲覧 をいつでもパソコン(スマホ可)で確認することができます。

このシステムにログインする為には、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」に記載されている『アクセスキー』17桁)が必要です。それがあれば、すぐ利用することができます。

ただ有効期限が3か月なので、期限が切れていたり、そもそもねんきん定期便を紛失した場合は、日本年金機構のサイトでIDを申請すれば、一週間程でお手元にIDが郵送されます。

 

2007年に社会問題になった「消えた年金問題」でもあったように、名前が変わったり転職をされた方はきちんと加入しているか自分で調べることができますし、将来いくら年金がもらえそうかこれからの働き方の条件を設定して試算することができます。

ぜひ、ねんきんネットをご活用ください。

年金受取額を把握しておきしましょう

人生100年と想定した場合、老後は65歳から35年間の時間があります。

過去の相談者の例でいうと、この毎月の年金受取の見込みが8万円~14万円の方が多いです。

例えば、8万円/月の方は35年で3360万円、14万円/月の方5880万円となります。

この例でも2500万円の差がでます。

 

また、年金見込額が14万円の方が老後に必要な生活費(住宅費)を仮に25万円必要と考えた場合、毎月の不足金額が11万円となり、将来の為に必要な自己資金は4620万円と目標設定ができます。

 

老後に漠然と心配がある方は、まず現状の年金制度で将来いくら年金が給付されるか確認しておきましょう。

 

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