高齢化社会の老後について考える

皆さん、こんにちは。

今回は現代の高齢化社会の中で、老後に向けて考えておかなければならないことについて書いてみたいと思います。

長寿の国、日本

子供の頃に、敬老の日などに自分のおじいちゃん、おばあちゃんに『元気で長生きしてくださいね。』なんてことは誰でも言ったことがあると思います。

今の日本では、そんなことがもはや当たり前の時代になってきました。

現代日本は90歳も当たり前

一昔前なら90歳以上の高齢者は、かなりのご長寿というイメージだったと思いますが、現代の日本はどうでしょうか?

男性で90歳以上長生きされる方は約25%、女性にいたってはなんと約50パーセントの方が、90歳以上生きられます。(厚生労働省、平成27年度簡易生命表より)

男性で4人に1人、女性は2人に1人が90歳以上まで生きるという事になります。

本当に長生きの時代になりましたね。

長生きするにもお金がかかる

もちろん長生きすることは、有難いことですし、おめでたいことでもありますが、それと同時に長生きするという事は、それだけ老後の期間が長いという事ですので、老後の生活に必要な資金もそれだけ、余裕を持って準備しておかなければならないという事になります。

老後にいくら必要?

60歳で退職して、その後90歳まで生きるとしたら、30年分の生活費がかかりますね。

もちろん、年金なども支給されますが、豊かな老後を過ごしたいと考えると、プラスαで出来る限り準備しておきたいですよね。

30年分というと、例えば毎月生活費で20万円必要だとしたら、単純計算で30年間に7,200万円も必要だという事になります。もちろん退職された際に退職金を受け取る方もいらっしゃいますし、ある程度の公的年金も受け取れますので、全額準備する必要はありませんが、仮に半分は自分で用意しなければならないという場合でも3,600万円は準備しないといけないという事になります。

健康寿命ってなあに?

他にも考えておかなければならないことが有ります。

平均寿命は年々延びていて、男性で80歳くらい、女性で87歳くらいとなっていますが、それとは別に健康寿命というのが有ります。

健康寿命は日常生活に制限が無く、普通に生活を続けられる平均の年齢です。

健康寿命で見ると男性で71.19歳、女性でも74.21歳(平成25年、厚生労働省)

となります。

これを見ると、男性で9年くらい、女性で12年くらいは老後、何らかの理由で、日常生活に制限がある生活をするという事が分かります。

人によってもちろん異なりますが、病気だったり、介護だったりするケースがほとんどではないかと思います。ですので、長生きのための生活費はもちろんの事、もしも病気や介護になった場合でも、それをカバーできるようにしておかなければなりません。

病気やけがに備える

病気になった時の備えとして、民間の医療保険に加入されている方も多いと思います。

一般的な医療保険の多くは、もしも病気やけがなどで入院や手術をしたときに、それをカバーするために保険金が出ます。特に入院したときは、入院1日につきいくら、という形で入院給付金が出ますが、通常は60日型、120日型など、日数に上限がある物が一般的です。

会社によっては、特定の病気を原因として入院した場合に入院日数が無制限になる場合もありますが、あくまでも入院が継続した場合に限りますので、自宅療養などは出ない物がほとんどです。

これでも実際に病気で入院した場合は、平均の在院日数は30日程度、6割以上の病気は概ね2週間以内の入院がほとんどですので、十分にカバーできると思います。

介護は医療保険ではカバーできない

では、そんな病気やけがで入院している人数よりも多くて。入院よりも大幅に長期化する物は何でしょうか?

それが介護です。

その人数は、入院している患者数の4倍以上、平均の介護期間も約5年と長期に渡ります。

これだと前出のような医療保険に加入していても、ほとんど役に立たない可能性が高いですね。

公的介護保険の活用

もし介護になってしまうと、莫大な費用がかかるようなイメージがあるかもしれませんが、実際には今は公的介護保険制度が有りますので、介護サービスを受けたとしても、自己負担は1~2割です。

例えば、30万円相当の介護サービスを受けたとした場合、1割負担だとしたら3万円の負担で済むという事になります。注1)

ですので、介護が心配だからといって、必要以上に頑張って貯める必要はないですが、現状の1割負担の場合で考えると、少しの差が大きな差になってくることが分かります。

1万円の違いが大きな差に

10万円の介護サービスが、1万円の自己負担で受けられるのですから、2万円出せれば20万円分のサービスが受けられることになります。つまり1万円の違いが10万円の違いになるという事です。

もっと大きな金額で考えると、100万円が1,000万円相当の価値になるという事ですから、もし200万円貯めたとしたら2,000万円相当の介護サービスを受けられるという事になります。

資産形成をしながら、いざという時にも備える

最近は介護になった時に、保障される保険も登場しています。

貯蓄性も兼ね備えた商品も出てきていますので、そういう物を活用して、しっかり貯蓄もしながら、いざという時のために備えるという事が大切だと思います。

他にも、ここ最近注目されている確定拠出年金や、2018年から始まるつみたてNISA、個人年金など、上手に活用して、安心できる老後に備えたいですね。

注1)要介護認定の段階によって利用できる上限が決まっています。

2017年8月

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