iDeCo、NISA、つみたてNISA いろいろあるけれど、どれを選べば良いの?

皆さん、こんにちは。

今回はiDeCoやつみたてNISAなど、将来のための資産形成の手段として注目されている制度の違いなどについて考えてみたいと思います。

興味はあるけれど、実際のところ制度の違いも良く分からないし、自分に合っているのがどれなのかも分からないという声をよく聞きます。

今回はそれぞれの特徴などを踏まえたうえで、どれを選択するのが良いか、職業やそれぞれの立場などにより、最適と思われる選択肢について書いてみたいと思います。

それぞれの制度の違いについて

最初に各制度の特徴について見ていきます。

まずは「iDeCo」(個人型確定拠出年金)ですが、最近はこの個人型が注目されていますが、制度としては2001年に施行された確定拠出年金法に基づいてスタートした私的年金制度の一つで、個人型のほかに企業型があります。今回は個人型を基準に書いていきますが、企業型も共通する部分は多いですので、参考にしてください。

資金の運用を加入者自身が指図して決められるという制度です。確定という言葉が付いているので、将来もらえる年金が確定していると勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんが、拠出する金額が確定しているという意味ですので、将来の結果はその運用の状況によって大きく変わってきます。

具体的には毎月の掛け金の内訳を、自分で決めて積み立てしていくような形になります。

選べる運用商品の大部分は投資信託になります。他に元本保証の金融商品として定期預金や保険なども選べます。

iDeCoの最大のメリットは

「iDeCo」の最大のメリットは何と言っても、全額所得控除になるという点です。

収入がある方でしたら、毎月の掛け金が全額控除になりますので、節税効果は大きいです。

それにプラスして運用で得た利益も税金がかからないので、節税メリットだけを考えると「iDeCo」が最も効果が高くなります。

2017年からそれまで対象ではなかった主婦の方なども新たに加入できるようになりましたが、残念ながら収入の無い専業主婦の方などは、所得控除のメリットはありません。

また運用している期間はずっと非課税で運用出来ますが、60歳になるまでは途中で引き出すことは出来ません。(ごく一部の例外を除く)

NISAについて

次に「NISA」、「つみたてNISA」を見ていきます。

「NISA」(少額投資非課税制度)は2014年にスタートした個人投資家のための税制優遇制度で、毎年120万円までの投資が非課税になります。何か非課税になるかというと株式や投資信託などの売却益や配当金が非課税になります。毎年120万円の非課税枠が有りますが、一つの枠あたり最長で5年間です。120万円×5年で最大600万円まで非課税で運用することが可能になります。

投資できる対象は株式、投資信託などの金融商品のほとんどに投資することが可能です。

つみたてNISAについて

2018年から新たに始まった「つみたてNISA」も同様に運用益や分配金が非課税になる制度ですが、こちらは毎年の非課税枠は40万円で最長20年になります。20年間の合計で最大40万円×20年の800万円が非課税で運用出来ます。

こちらは普通の「NISA」と比べると、投資できる対象が限定されます。

株式は購入することが出来ず、投資信託も一定の条件を満たした長期、分散、積み立て投資に適しているとされる公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。

「NISA」、「つみたてNISA」は収入に対する所得控除はありません。

何を基準に選んだらいいの?

ではこの中からどれを選ぶのが良いかという点について見ていきます。

選択する際のポイントとしては、大きく分けて4つ有ります。

収入の有無、いつまで投資したいか?(運用期間)何に投資したいか?(運用商品)いくら投資したいか?(運用資金)という基準で考えていくと分かりやすいと思います。

働いている人ならばiDeCoが有利

まずは収入に関してですが、会社員や自営業など収入がある方なら、まずは「iDeCo」から始めていただくのが良いと思います。何しろ掛け金で払った分全額が控除になりますので、この点は大きいです。逆に専業主婦などの場合は、そもそも収入がありませんので所得控除が使えません。

いつまで貯めるか?

運用期間ですが老後の資金として考えているのか、それとも近い将来のための投資として考えているのかで、選ぶものが変わってきます。

老後の資金として考えているようならば「iDeCo」、40代以上の方なら「つみたてNISA」も老後資金の対象になると思います。

逆にそれほど長い期間で考えていないという場合は「NISA」での運用を選択するのが良いと思います。

ちなみに「NISA」と「つみたてNISA」ですが、毎年どちらか片方を選ぶ形になりますので同じ年に両方やっていただくことは出来ません。

何で運用するか?

次に運用商品に関してですが、「iDeCo」と「つみたてNISA」は現物の株式は購入できません。もし株に投資をしたいと考えている場合の選択肢は「NISA」になります。せっかく運用益に対して税金がかからないわけですから、将来の値上がりはもちろんですが、配当金が高い銘柄などに投資していただくのが効果的だと思います。

株ではなく投資信託を購入したい場合でも、「iDeCo」や「つみたてNISA」はあらかじめ決められた商品しか購入できませんので、もしも自分が購入したい投資信託がその中に無いようであれば、その場合も「NISA」を選択していただくと、ほとんどの銘柄を購入することが可能です。

これを読まれている方の中には、あまりいらっしゃらないかもしれませんが、逆に株式や投資信託のようなリスク性の金融商品は買いたくないので、基本的に定期預金や保険などで地道に積み立てだけ続けたいという方がいらした場合は、そういった金融商品が選べるのは「iDeCo」だけですので、「iDeCo」で所得控除の節税メリットだけを活用して運用には期待しないという方法になるかと思います。

年齢によっては「iDeCo」と「つみたてNISA」はほとんど同じような使い道になる方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれに採用されている銘柄にも違いが有りますので、投資したい投資信託の種類によっても変わってきます。

「つみたてNISA」に採用されている投資信託は、長期の積み立てが出来ることはもちろんですが、購入時の手数料や、運用にかかるコスト(信託報酬)の基準もあるため、積極的な運用を目指すようなアクティブファンドは少ないです。

選択できる運用商品を調べてみて、投資したいものがあればそちらを選択していただくようされると良いかと思います。

予算によって優先順位を考えましょう!

最後に運用資金です。いくら投資したいかという事ですが、個々に積み立てに回せる資金の予算があるかと思います。まずは少額から始めたいと思う方もいらっしゃるかもしれませんし、人によっては毎月10万円以上積み立てに回せるという方もいらっしゃると思います。

例えば自営業の方で「iDeCo」と「NISA」を毎月上限いっぱいまで積み立てしたとすると最大で「iDeCo」¥68,000×12か月=¥816,000、「NISA」年間1,200,000(毎月100,000積み立て)の合計で毎年200万円以上を非課税で運用できることになります。

会社員の場合だと「iDeCo」の上限は¥23,000/月ですので年間で最大¥276,000になります。

それぞれの立場によって非課税で運用できる上限は異なりますが、そこに出せる予算は収入の金額によって人それぞれです。

収入がある方なら、節税効果を考えると「iDeCo」→「NISA」もしくは「つみたてNISA」の順で考えると良いでしょう。

主婦の方などは所得控除が使えませんので、予算よりもその他の条件などを基準にして検討していただくのが良いと思います。

しっかり計画を立てて明るい未来を作りましょう!

ここでお伝えした内容は、それぞれの制度の特徴を考えて、一般的な考え方について書きましたが、実際には人によって、投資に対する姿勢や、ライフスタイルなど様々な要因が関係してくるかと思います。

まずはしっかり現状を把握していただくことと、将来の目標などをしっかり定めていただいてそれに合わせて資産形成を考えていくことが大切です。

2018年5月

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