お金をためる方法として、貯金と預金がありますが、どちらも「お金を貯蓄する」という意味で使われるので、ここでは「預金」に統一したいと思います。
どうして預金じゃ貯まらないの?
「預金じゃ貯まらない」は、少し語弊があるかもしれません。
預金でも、もちろんお金は貯まります。
毎月10万円を1年間、タンスの奥に貯めれば 10万円×12カ月=120万円 になります。
お金は、そのままの形・量でタンスの奥に保管されます。
お金の価値は変わっていく
ところで、子どものころ、自動販売機のジュースを買う時、手にしていたのはいくらでしたか?
100円あれば、ジュースを1本買えませんでしたか?
いま、100円をポケットに入れて自動販売機へジュースを買いに行っても、ジュースは買えません。
なぜなら、ジュースの値段が高くなって120円とか、150円になっているからです。
物の価値は変化します。
そして、お金の価値も変化します。
タンスの奥から見つけた120万円でも、昔は買えたものが買えなくなってしまっていることがあるのです。
つまり、お金をためていくためには、その価値を減らさずに、増やしていかなくてはいけません。
お金が増える「金利」のしくみ
タンスの奥や金庫の中では、お金の価値が減っていくかもしれません。
それでは、銀行などの金融機関にお金を預けに行ってみましょう。
銀行では、普通預金という機能があります。
みなさんがお給料をもらったり、公共料金・クレジットカードの支払いに使うような、一般的な口座です。
この普通預金口座にお金を預ければ、お金は増えるのでしょうか?
答えは、増えません。
みなさんがためたお金が、そのまま保管されるだけなのです。
高度経済成長期、バブル経済のころ、銀行や郵便局の預貯金にお金を預けておくと、勝手にお金が増える時代でした。
なぜ、勝手にお金が増えるのかというと、預けたお金に「金利」がついて、その分のお金が戻ってきたからです。
「金利」とは、預けたお金に対して支払われる金額のことです。
高度経済成長期やバブル時代の金利がいくらか知っていますか?
8%です。
これは、10年お金を預けておけば、お金が倍になる値です。
しかし、現在の金利は0.001%です。
今からお金を預けて、7万2千年後にお金が倍になっています。
当然、そのころには私たちは生きていないし、地球がどうなっているのかもわからないレベルですね。
そのような普通預金にお金を預けておきますか?
生きているうちにしっかりとお金がたまる・増えるもののほうがよくないですか?
お金がたまる・増えるしくみ
お金をためる・増やすためには、「金利」が重要です。
そして、価値が変動するものを利用することも一つの手段です。
どのようにすればお金がたまる・増えるのか、具体的に見ていきましょう。
株式投資
「株が上がった」と言って喜ぶ人、「株が下がった」と言って残念がる人がいます。
株とは、株式やその値段のことで、景気変動の影響を受けて上がったり下がったりします。
ある動物のゲームでも、このかぶを売り買いしてもうけを出している人がいますが、どのような仕組みになっているのでしょうか?
J社が、みかんジュースを作るために資金を必要としていました。
そこでJ社は、みかんジュースがたくさん売れたら、その売り上げの一部とみかんジュースをあげますよ、と宣伝して資金の呼びかけをしました。
すると、多くの人が資金をあげるから頑張ってね、とお金を渡してくれました。
J社は、その証拠を券として資金をくれた人に渡しました。
その年は、天候にも恵まれてみかんが豊作だったので、おいしいみかんジュースが作れました。
みかんジュースがたくさん売れたので、J社はその売り上げの一部を券を持っている人に渡しました。
J社の評判は、たくさんの人に伝わり、その人たちもJ社からのお礼のお金とジュースが欲しいと、J社にお金を渡していきました。
こうして、J社はさらにお金を集めることができ、売り上げも大きくなっていったのです。
そして、J社にお金を渡した人たちは、私たお金よりも多い見返りのお金とジュースをもらうことができました。
これが、株式投資のしくみです。
つまり、会社や企業に応援・期待をしてお金を出資し、売り上げの一部をもらうということですね。
ただ、すべての株式投資がうまくいくわけではありません。
J社の売り上げが良くなければ、見返りのお金はもらうことはできません。
その場合には、自分はお金をあげただけで、なにもなくなってしまうのです。
投資信託
どの会社にお金を出せば見返りがもらえるのか?
いつお金を出せばより多くお金をもらえることができるのか?
そんなこと、わかりませんよね。
そこで、その投資をプロに任せてしまいましょう!というのが投資信託です。
投資信託は、投資のプロが優良企業にお金を預け、より多くの報酬がもらえるようにはたらいてくれるのです。
ただ、注意しておきたい点は、いくら投資のプロとはいえ、その人も一人の人間です。
間違うこともあるし予想が外れることもあります。
投資信託はそのリスクは少ないですが、必ず良い結果になるとも言えないと注意しておきましょう。
債券
自分が出した分のお金が返ってくるものが、債券です。
S社は、バナナシェイクを開発するための資金を必要としていました。
そこでS社は、10万円を1年間貸してくれたら、その間、1カ月ごとに1000円のお礼金を渡しますよ、と宣伝して資金の呼びかけを行いました。
すると、たくさんの人が約束だよ、と言ってお金を渡してくれました。
S社は、その証拠を券として資金をくれた人に渡しました。
S社はバナナシェイクを頑張って開発しましたが、売り上げは思ったよりも多くはありませんでした。
しかしその間も、S社はお金をくれた人たちに毎月お金を支払い、1年後にはもらった10万円を返しました。
S社にお金を渡した人たちは、もともと自分のお金である10万円と、それまでに12000円をもらうことができました。
これが、債券のしくみです。
つまり、会社や企業など、お金が欲しい者がもらったお金を一時的に資金を借り、お礼金+もらったお金を期日に返すということですね。
J社の株式投資と異なり、期日やお礼金の割合が決まっていること、会社の売り上げは関係ないということになります。
自分のお金が返ってくるので、安心感がありますね。
お金を増やそう!
では株式投資や投資信託、債券の商品はどこに売っているのでしょうか?
また、その商品にはどのような種類があるのでしょうか?
投資・債券の商品の販売を行っているのは証券会社です。
ですが、銀行や郵便局でも売っています。
また、インターネットから購入できる経路もあります。
投資商品は、投資信託を販売する会社によって、扱う内容が違くなっていますので、自分自身で判断する必要があります。
銀行や郵便局でお金を増やす
いつも使っている銀行や郵便局の窓口ではどのような投資・債券の商品を売っているのでしょうか?
投資・債券の商品を購入する前に、その銀行や郵便局のインターネットなどのサイトを見てみましょう。
どのような投資信託・債券が売っているのか、どのような運用成果になっているのかを確認することができます。
投資・債券の商品も、中身がわからないわけではなく、どのような内容になっているのかしっかりと示してあるのです。
内容がわからない商品を買うのは怖いですものね。
証券会社でお金を増やす
銀行や郵便局の投資商品では、自分好みの商品がなかった場合、専門である証券会社を見てみましょう。
同じように、会社のホームページなどに、投資商品が紹介されています。
より多くの投資商品を見ることができます。
また、お金を出資する人を投資家といいますが、証券会社の投資商品は、プロの投資家向けの商品もあるため、より大きなリターンを得ることができる商品があります。
FP事務所に相談してみる
投資商品を比較していると、たくさんの商品を目にすることになり、どれが良いのか、自分に合ったものはどれなのかわからなくなることも多いでしょう。
そのようなときには、FP事務所などお金のことに詳しい人に聞くのも一つの手段です。
投資信託や債券のしくみ、特徴を説明してくれるでしょう。
また、投資を活用した保険商品なども紹介してくれます。
つまり、一人ひとりに合った資産運用商品を知ることができるのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
タンスの中に眠っているお金をそのまま「いつか」のために保管しておきますか?
一生、増やすことのできない預貯金にお金を貯めておきますか?
今は何もわからなくても、誰かに相談してみることで、何か変わるかもしれません。
未来の「いつか」の自分が、「お金を増やしておいてよかった」と思えるように、今、行動してみませんか?
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