教育費をまかなう「教育ローン」と「奨学金」
教育費って、思ったよりも高くありませんか?
入学金や制服、授業料や行事費用など・・・
一人の子どもが大学を卒業するまでの教育費は、1500万円から3000万円かかります!
準備していても「学費が足りない!」なんてこともあります。
そんな時、教育費をまかなう制度が「教育ローン」と「奨学金」です。
教育ローンも奨学金も「教育費をもらう」制度ですが、どちらにもメリット・デメリットがあります。
教育ローンと奨学金の違いを学んで、それぞれの家庭に合ったものを選んでいきましょう!
「教育ローン」は親が返済する一時的な教育費
教育ローンは、国が教育費を貸す制度です。
借りる人は親(保護者)となり、返す人も親(保護者)です。
子どものために、親や保護者が教育費を借りて、返す制度ですね。
借り入れ可能金額は一般的に、最高350万円です。
借り入れの条件は世帯年収のみとなります。例えば、子ども一人の場合では世帯年収790万円までです。
申込はいつでもすることができ、申し込み後20日程度でお金を借りられます。
返済は、借り入れの翌月以降から始まります。返済期間は15年ほどです。
「教育ローン」の良いところ!
教育ローンの良いところは、一度に大きなお金を借りられるところです。
借入可能額の350万円までなら、好きなタイミングで一時的に教育費をまかなうことができます。
受験費用や入学金は一時的に大きな金額がかかります。
子どもの進路が決める大事な時に、お金がないからという理由で、選択肢が減るのは悲しいですね。
子どもが精神的にも頑張っている時期です。
経済的な心配をせずに、子どもが勉学に励めるように応援できることは大変ほほえましいことです。
子どもに心配をかけずに、自分の進路に励んでほしい、というご家庭にはとても良い方法だと思います。
また、借り入れ条件が「世帯年収のみ」というのも、借りやすいものとなっております。
あとで紹介する奨学金では、子どもの成績が借り入れ条件に関係してきます。
勉強が苦手でも得意でも、だれでも借りられるもは良いですね。
「教育ローン」のデメリットは?
借りやすい教育ローンですが、返済時の金利が比較的高いです。
奨学金だと0.3%ほどの金利ですが、教育ローンは1.7%です。
家計には、普段の生活費・居住費・娯楽費等たくさんの支出がありますよね。
そこにさらに、自動車ローンや教育ローンが重なると、貯蓄する余裕がなくなってしまいます。
働き盛りの親御様でも、やはり支出は抑えたいものです。
今の家計のやりくりに精一杯になってしまい、余裕資金を確保しておけなくなってしまいます。
それが続くと、自分たちが定年退社で会社を辞めたとき、「生活資金の貯えがない!」なんてこともあります。
子どものことを考えるのは大事なことですが、自分たちの生活も含めて、家族みんなで話し合ったほうがよいですね。
「奨学金」は学生のための日々の学校生活費
奨学金は、国や教育機関・企業などが学生(子ども)にお金を貸す制度です。
借りる人は子ども(学生)であり、返す人も子どもです。
社会人になり、子どもが自分自身で稼げるようになったらお金を返していく制度です。
借入可能額は、月額2万円~12万円ほどと様々です。
借り入れ条件は、世帯収入と子どもの成績です。
成績の条件とは、例えば、「高校での成績が3.5以上で優秀である」ことや「学習意欲がある」ことです。
申込は高校の春か大学の春で、貸与は4月~7月から始まります。
返済は貸与終了、つまり、ほとんどの場合卒業した翌月以降から始まります。
「返さなくていい奨学金」「無利子の奨学金」もある!
奨学金はさまざまな団体が行っています。
ほとんどが有利子の奨学金ですが、中には「返さなくていい奨学金」もあるのです。
ただし、成績の条件がかなり厳しく、募集枠も小さいです。
「返さなくてもいい奨学金」は、狭き門となります。
また、返済義務はありますが、利子のつかない奨学金もあります。
奨学金を借りる前には、借り入れ条件と貸与期間中の待遇、返済方法などを調べておくとよいでしょう。
「奨学金」のいいところ!
奨学金は金利が低いので、お金を返す負担を少なくできます。
金利は無利子のもの0%はもちろんのこと、平均でも0.14%~0.33%ほどです。
また、教育ローンでは一人当たり350万円が借入可能額でした。
奨学金では、月額12万円で借入すると、総額576万円借り入れすることができます。
「両親にあまり負担をかけたくない」「自分自身で学んで一人の社会人として頑張りたい」という方にはいいでしょうね。
「奨学金」のデメリットは?
奨学金の給付は月額となります。
つまり、一時金として大きなお金を借りることはできないので、入学金や授業料を一括で支払うことが難しくなります。
また、借り入れ条件に成績がかかわってきます。
入学前の成績が良くないと、奨学金がもらえるかわかりません。
さらに、一生懸命勉強して、思っていたよりもレベルの高い大学に進学できたとします。
進学した大学で奨学金をもらい続けるには、やはり大学の成績も重要なのです。
大学在学中に成績が悪くなると、奨学金の返済金利や借入額が変化することもあります。
奨学金を借りるには、子ども自身の努力は必要不可欠です。
返済は、卒業後から始まりますが、この時もデメリットがあります。
奨学金を借りていない人では、社会人としての給料を生活費やお小遣い・貯蓄など自分の必要なものに使いやすいです。
しかし、奨学金を借りた人は、給与からまず、奨学金の返済額が支出として出ていきます。
奨学金の返済期間は人によってさまざまであり、早い人は30代前半で終わります。
しかし、遅い人では40代後半まで奨学金を返すことになります。
そうするとどうなるでしょうか?
「余裕資金をつくる余裕がなく、実家から出られない」
「自分の生活で精一杯で結婚を考えられない」
「老後の貯金を考える余裕がない」など、人にはよりますが様々な問題に直面します。
学生から社会人まで、一人ですべてを抱えるのはとても苦しいことだと思います。
自分の人生ではありますが、一緒に生活する人とよく相談することが大切ですね。
「教育ローン」と「奨学金」をうまく使うには?
それでは、家族が負担を少なくお金を借りて返していく方法はどのようにすればよいのでしょうか?
まず、受験費用や大学入学などで一時的に大きな金額が必要になる場合は「教育ローン」を利用しましょう。
特に、「入学金」は、「その学校に入るために必要なお金」ですので、必ず準備しておく必要があります。
「奨学金」ですと、一時的に大きな金額はもらえませんので、注意しましょう。
大学在学中の学費は「奨学金」を利用しましょう。
ただ、月額でもらえる奨学金を、すべて生活費で使ってしまってはいけません。
授業料や実習費用など、入学以降にかかる費用に使えるように余裕を持っておきましょう。
そして、借り入れ限度額まで借りる必要はありません。
自分の成績、生活費、学費にあった奨学金を借り、返済の負担を少なくしましょう。
返済するときには、「返す人」にこだわらず、親子で協力して返済しましょう。
「教育ローン」も「奨学金」も、貯蓄の一部やボーナスの一部を返済に充てられると良いですね。
「教育ローン」「奨学金」以外にも、教育費をまかなう方法はある!
「教育ローン」や「奨学金」は利用したくないな、なんて人もいると思います。
低金利で借りやすい「教育ローン」と「奨学金」でも、やはり日々返済していくことを考えると、自分たちで早めに準備しておくことのほうが良いかもしれませんね。
もちろん、「教育教育ローン」や「奨学金」を利用せずとも、教育費は準備することができます。
例えば、「学資保険」や「低解約返戻金型の終身保険」です!
この記事は、以前に書いたものがありますので是非お読みください。
「教育」は、保護者である親と子どもが話し合って協力するものです。
お互いより良く教えあい、育てあうことで、素晴らしい関係を築けるようにしていけると良いですね。
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