新宿便り 第10号 ヘリコプターマネー

インフレとヘリコプターマネー

衆議院選挙が終わりました。
夜の選挙番組を見ていたらヘリコプターマネーという言葉が出てき
ました。ヘリコプターマネーとは、ノーベル経済学賞の経済学者
ミルトン・フリードマンさんが1960年代に提案した政策です。

ヘリコプターからお金をばらまいて多くの人たちにお金が渡れば、
みんな喜んでお金を使いだす。お金を使いだすと物が売れて景気が
良くなる。景気が良くなれば人手が足りなくなり企業は人で人手不
足になり雇用が増える。そしてみんながハッピーになるという理論
です。

実際にはヘリコプターからお金をばらまくのではなく、政府や中央
銀行が現金を国民一人一人に無制限に給付するというシステムのこ
とです。
無制限ではないですが、日本ではリーマンショック時の定額給付金
(12万円給付)や直近もコロナ禍での特別定額給付金(10万円給付)
など、ミニヘリコプターマネー的なことをやっています。

働かなくてもお金がもらえると

毎月25日になると給料とは別に20万円(4人家族だと80万円)が振
り込まれたらどうですか。間違いなくうれしいですね!日本中が喜
んでお金を使いだし、貧困問題も解決されます。お金が毎月、振り
込まれることがわかっていれば将来に不安な私たち日本人もきっと
思いっきり消費に進むでしょう。バブルが再来すこと間違いなしです!

でもどうでしょうか。日本という国の通貨(日本円)の価値はどう
なるでしょう。日本円への信頼が薄れ、急激な円安や、お金の価値
が下がり(物の価値は反対に上がります)、物凄いインフレになる
かもしれません。

日本は金利が低くデフレが続いているのでそんなことにはなりませ
んよという人もたくさんいます。実際はやってみないとわかりませ
んが、始めてしまうと多分、後戻りはできないでしょう。物凄いイ
ンフレ=ハイパーインフレになった国にジンバブエという国があります。

ハイパーインフレになると

ジンバブエでは2008年には5,000億%というインフレになりました。
1年間でモノの値段が5,000億%値上がりするということです。ちな
みに日本のインフレ率は現在0.4%ほど。日本はデフレでモノが
上がらなくて困っていますが地球の反対側ではお金が意味を持たな
いほどのインフレで困っている国もあるのです。

ジンバブエのハイパーインフレの原因はやはりお金をばらまいたこと
が原因でした。もちろんジンバブエと日本は経済状態や企業価値が違
いますから比較はできません。ただ毎月お金が振り込まれたら勤勉な
日本人でも多くの人は働かなくなると思います。
企業業績は悪化し新しい技術も生まれなくなり結局、大変なことにな
ってしまうのではないでしょうか。

選挙も終わり日本を引っ張っていく新しいリーダーも決まりました。
選挙で選ばれた議員さんにはコロナ禍や長引く閉塞感から脱却して
未来ある国つくりをしていってもらいたいと思います。

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